Alvin Lucier / Sferics

Visible-Light-Spectrum-Sounds-of-Colour-1024x768

電気について見渡しているとやがて磁力や周波数に行き当たる。
モーターの原理やダイナモを使った発電などでも明らかな様に、電気と磁力は極めて密接な関係にあり、
またそこで発生した波は電磁波という名前となって空気中に放たれる。

 

磁場
(電磁波の発生原理)

最初の図の様に周波数には帯域というものがある。
ラジオウェーブ〜電磁波〜可視光線〜赤外線〜紫外線〜宇宙線これは全て同じ電気と磁力の働きから発生しており、ある帯域では音になり、他では光になり、熱になり、その源は同じ働きから生まれている。
例えば電子レンジなどはマイクロウェーブと呼ばれる様に激しく波打ちエネルギーをその場に圧縮する一方、逆に宇宙線というのは緩やかな波で遠くの天体の爆発がこの地球上に届くほど長い距離を大きくうねっている様なイメージであろう。

この宇宙線、イオノスフェア=電離層で発生する、超長波/VLF(Very Low Frequency)と呼ばれる帯域の波を、人里離れた送電線のないコロラドの丘の真ん中にて、コイル状にしたアンテナで捉え、音に変換したものがAlvin LucierのSferics「空電」という事の様だ。

 

Lucier_Alvin_Lucier_Sferics.jpg,2000x2000

 

以前沖縄で夜に友人と海に出かけた時に壮大なスケールの虫の鳴き声に取り囲まれ圧倒されたことを思い出したが、この空電を捉えた音楽の微細なレイヤーには秋の虫や蛙の電気的な合唱に近い物を感じ腑に落ちるというか飽きる事がない。
また木で作った枠組みに電線を巻いてアンプリファイしスピーカーに繋げただけでこの様な音が採取できるという事にも驚く。普段感じる事のできない世界の営みを明らかにする様で興味は尽きない。